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コンテンツ過多の時代

ここ1年程、推し活まがいの事をしている人がいる。
成田悠輔という経済学者である。
2023年 年の瀬が迫る真夜中に、成田氏の推し活をしていたら大当たりの番組を見つけた。
個人的に、2023年ベスト5に入るくらい見応えがある番組だった。

「夜明け前のPLAYERS」というサブスク動画コンテンツである。

この番組を見る前に、また別のサブスク動画コンテンツ「News Picks」の”徹底討論ライドシェア”を見た。(News Picksでは古舘さんが辛坊さんに気を遣い過ぎてるように見えたけれども。)

この2つの番組に共通して出ている人物がたまたま古舘伊知郎さんだった。
大変失礼を承知で申し上げると、これまでは古舘さんが若干苦手であった。
作家の鈴木涼美さんと古舘さんの対談番組を見たとき、あまりにも下心むき出しの古舘さんに引いた記憶がある。

しかし、今回は冒頭から古舘劇場に惹き込まれ、最後まで存分に楽しんだ。
対談冒頭から、人間にとって言葉とは何かというテーマから入り、突然ノーム・チョムスキー(哲学者)の”無色の緑”が出てくる。
マルクス・アウレリウスの「投げられた石にとって~」はいつかの卒業式で成田氏が卒業生に向けて贈った言葉である。
川端康成の雪国「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」も朗読してくれる。
テレビ業界の裏側や報道番組についての考察もとても面白い。
世の中のさまざまなテーマを、言葉という武器で縦横無尽に語る二人。

そして午前3時頃ふと気づいた。
最近、本を読む時間がめっきり減ったことに。
携帯やパソコンを開けば、自分好みの動画コンテンツが山ほどある。
サブスク(有料)なので見なきゃ損だと思ってしまう心理。
抗えない見たい知りたい欲求。
そして気づけば午前3時。いくら年末休みとは言え、なんて不健康な生活。
しかし、時代は逆戻りはしない。
動画コンテンツは益々増え続け、自分の趣味嗜好にぴったり合い、
飽きたらまた別のコンテンツがあるだろう。
そのうち人類は自分の頭で思考するという行為を放棄するかもしれない。
悩んで迷って苦しい時間に耐え、やっと答えを見出すという経験を”省略”することが正義になるかもしれない。
情報無尽蔵の時代です。

「100年後あなたもわたしもいない日に」
2023年一番響いた本のタイトルです。

さて、明日は本を読もうと思う。

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